2019.08.18

PVとCTRは他メディアと比較して3〜5倍以上。1本の記事から得られた価値とは

書き手 阿部 花恵
写真 木村文平
PVとCTRは他メディアと比較して3〜5倍以上。1本の記事から得られた価値とは
「北欧、暮らしの道具店」と、企業様とのタイアッププログラムである「BRAND NOTE PROGRAM」。お取り組み企業担当者様インタビューでは、お取り組みのきっかけやその後の反響などを伺っています。

今回お話を伺ったのは、ダイソン株式会社でマーケティングを担当する山本ひとみさん、井垣麻美子さん。

エンジニアリングカンパニーとして知られる世界のダイソンが、空気清浄ファン「Dyson Pure Cool Me™」と「Dyson Pure Hot + Cool™(ピュアホット&クール)」を開発した背景。そして、「北欧、暮らしの道具店」とのタイアップを通じて得た「ちょっと見たことのない数字」、そして「全面的にお任せすることにした」理由とは?

エンジニアの発想から日常の悩みを解決する

――まずは、空気清浄ファン「Dyson Pure Cool Me™」「Dyson Pure Hot + Cool™(ピュアホット&クール)」が誕生するまでの背景について、教えていただけますか。

山本
その前に、ダイソンという会社についてご説明させてください。イギリスで誕生したダイソンは、お客さまが普段気づいていないような日常の問題に着目し、エンジニアの発想を形にすることで、問題解決を目指すエンジニアリングカンパニーです。

空気清浄機と扇風機が一体になった小型の空調家電「Dyson Pure Cool Me™」もそうした発想から生まれた製品になります。

――ダイソンといえば「羽根のない扇風機」も有名ですが、同じような原理なのでしょうか。

山本
いえ、ちょっと違うんですね。「羽根のない扇風機」に代表されるように、今までのダイソンの空調家電は周りの空気を巻き込んで増幅させ、パワフルな気流を生み出すという仕組みでした。

一方で、「Dyson Pure Cool Me™」は、気流と気流をぶつかり合わせることでストレートかつピンポイントに風を当てる仕組みになっています。この着想のもとになっているのは、実はジェット戦闘機なんです。ジェット戦闘機が離陸する際、気流がぶつかり合って圧力が発生し、まっすぐな風が生まれるのですが、その風の仕組みを応用したことが発想の出発点になっています。

――ピンポイントで風を当てる扇風機としての機能がまず先にあったのですね。

山本
はい。さらに、それとは別に、「自分の周りの空間をきれいにしてくれるパーソナルな空気清浄機」が世の中にはありませんでした。そこで、的確に風を当てる扇風機機能と、パーソナルな空間を清浄する空気清浄機能、両方を兼ね備えた今までにない新しいプロダクトとして誕生したのが、「Dyson Pure Cool Me™」なんです。

――世の中にはないスタイルのものを市場に投入したんですね。「Dyson Pure Hot + Cool™」についても教えてください。

山本
2015年に初代をローンチした「Dyson Pure Hot + Cool™」は、毎年アップデートを重ねて現在の製品が4代目にあたります。

こちらは部屋全体の空気を徹底的にきれいにすることを念頭に置き、扇風機、ヒーターとしてもしっかり部屋を涼しくし暖める製品として開発されました。

――空気清浄機、扇風機、ヒーターとして1台3役の機能を持つ、オールシーズン使える空調家電ですね。

山本
もともと「Dyson Pure Hot + Cool™」は、扇風機として始まった製品カテゴリーなんです。そこにセラミックプレートという空気を暖めるプレートや空気清浄フィルターを追加したころ、お客様から非常に良いフィードバックをいただくようになり、今の4代目の形に進化したという経緯があります。

空気の汚れを検知するセンサー、検知した汚れを清浄するフィルター、きれいな空気を部屋全体に送り込む循環機能、そして部屋全体をムラなく暖めるヒーター性能については、年々アップデートさせています。

「北欧、暮らしの道具店」のお客さまのバランス感覚を信じて

――「Dyson Pure Cool Me™」「Dyson Pure Hot + Cool™」に関して、これまではお客さまにどのような形のコミュニケーションを取られてきたのでしょうか。

山本
「Dyson Pure Cool Me™」に関しては、まったく新しい市場をダイソンが作っていくという意気込みがありました。ですから、まずはカテゴリーを認知していただくことが最優先。けれどもただ認知していただくだけじゃなく、どのようなベネフィットがあるかをしっかりお伝えしなければ、という思いがありました。

「ダイソンから羽根のないミニ扇風機らしき新製品が出たけど、これは自分に何かベネフィットがあるのかな?」と自分ごとに落とし込んでいただきたかった。そのためのタイアップ企画や動画作りなどは行ってきました。

社内では「ヘルス&ビューティー」ジャンルと呼んでいるのですが、「パーソナル空気清浄機・扇風機」という全く新しいカテゴリーでしたので、そういった美容や健康に関心を持つ感度の高い層にまずはアプローチを、という気持ちでしたね。

井垣
「北欧、暮らしの道具店」さんからは、以前からお取り組みのご提案をいただいていましたよね。すごく素敵なサイトでユーザーさんもたくさんついていらっしゃることは存じ上げていましたが、当時タイアップを検討していた製品の戦略上、「ラグジュアリー路線に寄せるべきなのかもしれない」という思いもあって、なかなかお願いするには至らなかったんですね。

ただ、「Dyson Pure Cool Me™」がローンチしたときに、これは「北欧、暮らしの道具店」さんとすごく合うんじゃないかな、とピンと来たんです。そこで改めてお声がけした次第です。

「北欧、暮らしの道具店」さんのお客さまは、機能はもちろんですが製品の見た目、美しさもとても大切にされている方々が多い印象があります。そのあたりのバランスを上手に兼ね備えているお客さまとなら、「Dyson Pure Cool Me™」はきっとマッチするんじゃないか、という予感がありました。

PV数は通常のタイアップ記事の3~5倍

――ありがとうございます。当社のお客さまのことをとても理解していただけることが嬉しいです。実際の2回にわたるお取り組みについて感想を教えていただけますか。

井垣
今の20・30代はデジタルネイティブ世代ですから、「Googleで検索しても出てくるのは広告でしょ」という冷静な目線が備わっていますよね。そういった若い層にどうマーケティングしていくのか、という課題が自分の中にはこれまでずっとあったんです。

「BRAND NOTE」もタイアップ企画ではありますが、1回目の「Dyson Pure Cool Me™」記事が良い意味で広告っぽくなく、すごくよくてびっくりしたんですよ。選ぶメディアによって、こんなに伝わり方、表現方法が変わってくるんだな、ということをいい意味で実感できました。

広告記事というだけで弾かれてしまう現状の中で、押し付けがましくなく、それでいて商品の特長や魅力をきちんと伝えられる。「BRAND NOTE」を通じてそういった広告コミュニケーションの形が実現できてよかったです。

山本
第2弾の「Dyson Pure Hot + Cool™」に関しても「北欧、暮らしの道具店」さんだったら、読者の共感を呼ぶ形でしっかりと記事にしてくださるだろうと思えたんです。そうしたらどちらもすごくいい結果が出て。

――具体的な数字について、差し支えない範囲で教えていただけますか。

井垣
CTRは通常のタイアップ記事の3~5倍はありましたね。もともと「北欧、暮らしの道具店」さんにはファンのお客さまがたくさんついていらっしゃることは知っていたので、心配はしていなかったのですが、こちらの想定の数値を遥かに超えたことが最初の驚きでした。

これまでマーケティング担当としていろんな商材でタイアップ企画をやってきましたが、それらと比較しても上位の数字です。

さらに、記事を読んで、実際に直接購入してくださったお客さまが予想以上にいらっしゃったこと。普段のタイアップ企画で、そこまで目に見える成果が出ることってそんなにないんですよ。公式サイトへの誘導が直接購買にも繋がった良いケースでした。

山本
お客さまのアンケートもすごく読み応えがありましたよね。商品の特長が、ちゃんと伝わっていることがわかって嬉しかった

井垣
社内だけでアイデアを出し合っても、やっぱり行き詰まることがあります。どうしても内部で働いていると、徐々に消費者目線から離れてしまうので。

でも「こんな視点があったんだ」「これはすごいヒントになるぞ」という新鮮な生の声をいただくことができて、すごく参考になりました。今後の広告コミュニケーションにぜひ反映させていきたいと思っています。

山本
記事のクオリティにもすごく満足しています。「Dyson Pure Hot + Cool™」はこれまでもタイアップを色々やってきたのですが、「読者モニターに1週間ほど使っていただいて記事にする」という形が多かったんですね。そうすると、どうしても表面的な浅い内容で終わってしまうことが多かった。

でも「BRAND NOTE」ではがっつり2週間モニターしていただいて、読者に近い生活者の目線から、丁寧に記事にしていただけた。「部屋の空気のこんなところにモヤモヤしているよね」という悩みに寄り添って、ピントを絞って記事にまとめていただいたので、私たちも確認しながらハッとさせられる場面が多くて。そのあたりは他の媒体の記事との大きな違いを感じましたね。

井垣
他社さんにお貸し出しする場合は、だいたい1~2週間がほとんどなのですが、「北欧、暮らしの道具店」さんにはもっと長く貸し出してたんだっけ? と思ってしまうくらい(笑)、すごくしっかり使ってくださった印象があります。

モニターしてくださったスタッフの方々が、読者さんに信頼されていることも伝わってきました。それが「北欧、暮らしの道具店」さんの特長であり、しっかりワークしたんだな、という手応えがありましたね。

全面的にお任せしたからこそ、上手くいった

――光栄です。今回、ダイソンさんは全面的に私たちに内容を委ねてくださいましたが、タイアップ企画では毎回そういった方針を貫かれているのでしょうか。

山本
そんなことはないんです。いつものタイアップ企画では最初の提案が送られて来て、「ちょっと違うよね」「言いたいことはこっちじゃない」と手を加えることが多いのですが、今回は初案を見た段階で「私たちから言うことは何もないよね。これはもうお任せしたほうが絶対いいね」という流れになってしまって(笑)。2回目もまったく同じです。

井垣
当社が言いたいことだけを記事にするなら、カタログを作ってしまえばいいんです。でもタイアップ企画はそうじゃない。そこには私たちにはない、メディアさん独自の視点が入っていたほうが絶対にいいものになるんです。

その独自の視点があまりにも当社の意図とかけ離れてしまうとまた難しいのですが、「BRAND NOTE」では絶妙なバランスで、読者さんに寄り添った記事にしてくださった。全面的にお任せして本当によかったと思っています。

――こちらこそ、ありがとうございました。今後も何かの形でご一緒させていただけたら嬉しいです。最後に、ブランドのマーケティングの在り方として今後どんなところを目指していきたいのか教えてください。

山本
これまでは単発のタイアップ企画ばかりでシリーズものに挑戦したことがないので、「北欧、暮らしの道具店」さんのようなリテンションの高い読者さんがいる媒体で、それを実現できたら面白いかなと思っています。

井垣
すべてが即、数字に反映されるデジタルマーケティングの立場としては、「オフラインにどう結び付けていくか」という課題があります。今回の「BRAND NOTE」ではタイアップ企画にしては珍しく直接購入された方がいて驚いたのですが、そこまでわかりやすい形ではなくても、いくつかのきっかけを積み重ねた結果、長い道のりを経て、オフラインで購入されるお客さまも当然たくさんいらっしゃる。そこをデジタルの力でどう可視化して、結びつけていけるかということを、今後も意識していくつもりです。

【BRAND NOTE Dyson Pure Cool Me編】
【BRAND NOTE Dyson pure hot + cool™編】

BRAND NOTE PROGRAMのお取り組み事例の一覧はこちらよりご覧いただけます。