「北欧、暮らしの道具店」のメディア戦略を支える3要素──週1リピート読者96%の環境で作る「伝わる広告」

書き手 長谷川 賢人

写真 鍵岡龍門

「北欧、暮らしの道具店」のメディア戦略を支える3要素──週1リピート読者96%の環境で作る「伝わる広告」
株式会社クラシコムは、2019年2月26日(火)16時より、広告代理店の皆さまを対象にした「『北欧、暮らしの道具店』メディア戦略発表会」を開催しました。

ECメディア「北欧、暮らしの道具店」では、2015年7月より、企業様の商品の魅力や想いを記事コンテンツにして配信する「BRAND NOTE」の取り組みを開始。2017年10月からは、「北欧、暮らしの道具店」の世界観や文脈、ECサイトの流通機能を活用した「BRAND NOTE PROGRAM」も提供しています。これまでに48社・72ブランド・268本のタイアップコンテンツをプロデュースしてきました。

さらに、webドラマ『青葉家のテーブル』の配信も開始し、第1話は記事執筆時で88万回を超える再生数となり、最新話の第4話まで全てにご好評をいただいています。



今回のイベントは、多角的な展開を続ける「北欧、暮らしの道具店」について、あらためて差別化ポイントや自社の強みを含めたメディア戦略をご紹介する機会となりました。

広告だけでなく、メディア運営、文章や写真、映像といった関連業務に携わる方にも気づきがあるはず。ここでは当日の内容を『「北欧、暮らしの道具店」のメディア戦略を支えるポイント』をテーマに、前提を踏まえた上で、大きく3点にまとめました。

「北欧、暮らしの道具店」は出版社と近しい

本題へ移る前に、まずは現状のメディア概要から特筆すべき点を挙げていきます。

・メディア規模は月間約1500万PV/170万UU
96%が「週1回以上」訪問しており、そのうちの72%が「毎日」見ている*1
全体の5〜6割のユーザーが「過去に20回以上の訪問履歴」を持っている*2
・SNSはInstagramを筆頭に、FacebookやTwitterなど数十万単位のフォロワー
・ユーザー属性は女性が98%だが、年齢層は20代から40代以上まで幅広い
広告事業は営業利益の4分の1を占めるまでに成長

ここまでをまとめると、「ダイレクトとSNSを主軸にした流入経路から、自らの意志でリピート訪問する女性ユーザーが多く、読者との関係性が深い」というメディア環境の強みが見えてきます。

その上で、クラシコム代表の青木は、「北欧、暮らしの道具店」を“ある分野に専門特化した新しい形の出版社である”と定義しました。

青木
特定のライフスタイルを持つ人向けのパブリッシングプラットフォームともいえます。そもそも出版社の仕事は、情報を様々な媒体に転写してディストリビューションし、影響力を与えることでマネタイズするのが本質です。

従来の総合出版社は、まず雑誌の登場による購読ビジネス、その上で展開する自社出版の書籍へのコンテンツ課金、それらが蓄積したIP(知的財産権)を転用する多角的事業といった展開がなされてきました。「北欧、暮らしの道具店」も同様に、情報の転写先が洋服、雑貨、ドラマ、広告コンテンツといったように多岐にわたることから、モデルとしては近しいと考えています。

皆さまとの広告のお取り組みについても、「出版社となら実現できること」をイメージしていただければ、展開の幅も広がっていくはずです。

 

それでは以下、「北欧、暮らしの道具店」におけるメディア事業の強みを、3つの観点から取り上げていきましょう。

1.主観的な立場から、伝わりやすいスタイルで届けられる

「北欧、暮らしの道具店」は出版社にモデルが近いといえど、あくまで「お店」である前提は変わりません。訪問するお客様も「対メディア」という意識を抱かれないことから、メディアに求められるような客観的な情報発信ではなく、「店長のおすすめ」といった主観的なコミュニケーションが可能なのです。

また、「ある分野に専門特化した」という言葉にもあるように、特定の美意識や価値観を持った人たちに対して、同様の価値観を持つ編集チームがコンテンツを制作しているため、双方にとって勘所を押さえたものを提供できるのも特徴です。

つまり、お客様にどういうスタイルで、どういったコンテンツを届ければ響くのかを、ほぼ完璧に理解していることが「北欧、暮らしの道具店」の強みともいえます。趣味性の高いコンテンツは、どれほど有益な情報であっても、お客様が受け入れられるスタイルになっていなければ届いていかないからです。

言い換えると「北欧、暮らしの道具店」は、ある価値観の元に集まるお客様を大量に保有しており、そこで受け入れられる情報のパッケージング能力が非常に高いため、効果的な広告コンテンツを提供できていると考えています。

2.「私たちみたいな誰か」を対象に、仲間として発信する

クラシコムのコンセプトである「フィットする暮らし、つくろう」を定義づけるのであれば、「自分の物差しで満足できる暮らしをつくろう」となります。他者との関係性ではなく、あくまで自分にとっての“現実と理想”を葛藤しながら、その間で整合性が取れている暮らしやモノ選びが出来ている状態を目指しています。

編集方針のひとつには「私たちみたいな誰か」に届けることを掲げており、年齢や年収といったペルソナを制作していません。「フィットする暮らし、つくろう」というコンセプトの持つ価値観を切実に必要としてくれている人たちが、私たちのお客様であると考えます。

その人たちへ向けて外側から情報を提供するのではなく、一緒に内側にいて、同じ「生活者」としての立場でコンテンツを届けていくのです。だからこそ、マーケティングの対象は「自分自身」でもあります。

「北欧、暮らしの道具店」では新しいスタッフの自己紹介や、日々の暮らしから生まれるコラムを多く掲載しています。そのスタッフの名前や顔を目にしたとき、各々が持つエピソードや暮らしの背景を想起してもらうことは、お客様にとっての『知っている人』になる第一歩。そして、知っている人からの話は、そうでない人に比べて、ずっと耳を傾けられるものです。

メディアの影響力は「誰が言うか、なぜ言うか」が担保されていることで大きくなります。それを支えるのがメディアのブランド力や、読者とのコミュニケーションを重ねた下地です。それらが担保された状態である「北欧、暮らしの道具店」が、企業の伝えたい内容を自分たちらしく動機を持って届けることで、的確に響くメッセージへと変わっていくのです。

3.商品開発と同じロジックで、「ありがとう」と言われる広告を作る

コラムなどのコンテンツ編集においても、プロダクト開発においても、目指すモノは同じ。「伝える動機」「ほどよい機能」「一貫して好きだと思えるスタイル」という3つのロジックを必ず満たす姿勢は変わりません。

たとえば、オリジナル商品のメイクボックスは、制作した500個が即日完売、現在でも3800人が入荷待ちをする大ヒットとなりました。これは店長佐藤が「朝のお化粧への悩み」を発信したInstagramに寄せられたコメントに手応えを得て製作したものです。3つのロジックが揃ったときに最大の効果が出るのです。これは、広告であっても同様です。

コンテンツ編集、プロダクト開発と同様に、「北欧、暮らしの道具店」が提供する広告プランにおいて目指すコミュニケーションは、人の欲望を喚起していくのではなく、その人の困っていることや悩んでいることを満たし、「ありがとう」と言ってもらえること。そのためには、下記3点のように読者にとって「役に立つ」必要があります。

「日々奮闘している自分を現実逃避させてくれて、ありがとう」
「自分たちならではの問題を解決してくれて、あるいは癒してくれて、ありがとう」
「自分が好きだと思っていること/ものを再確認させてくれて、ありがとう」

意識しているのは、コンテンツを届けた方に「私みたいな仲間を見つけた!」と思ってもらえるような設計です。記事タイアップの「BRAND NOTE」や、希望者のみ実際に商品を同梱する「BRAND GIFT」といった広告プランであっても、その姿勢は変わりません。だからこそ、一貫したメッセージとなってお客様へ深くまで届くものになっていくと考えています。

今後の成長戦略は「映像レーベルの発足」

また、イベントでは「北欧、暮らしの道具店」における今後の成長戦略についても明かされました。

まずは2019年から2020年を目処に長編映画を制作し、全国配給を目指していくもの。そのテーマとなるのが映像レーベルの発足です。音楽業界では「このレーベルからリリースされた楽曲であれば好きなスタイルに合いやすい」といった“レーベル買い”があり得るように、「北欧、暮らしの道具店」のお客様が好むスタイルの映像作品を定期的にリリースするようになりたいと意気込んでいます。

青木
ある特定のお客様の可処分所得において、「北欧、暮らしの道具店」へ落としていただける割合を高めていきたいです。さまざまな種類のお客様のニーズにお答えする会社ではなく、私たちに愛着を持ってくださっているお客様に対して、より広い分野で想いを叶え、コンテンツを拡充していくことが成長戦略となります。

 

今回、あらためて明かされた価値観や強みのもとで、「北欧、暮らしの道具店」は様々な広告プランを用意しています。プランの詳細やお取り組みの実例は、こちらのページにまとめられています。

 

*1 3000人の「お客様アンケート」より
*2 Google Analyticsより

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