会員獲得の販促だけでは足りない「リアル」を伝える。オイシックス「Kit Oisix」編を振り返る

書き手 長谷川 賢人

写真 木村 文平

会員獲得の販促だけでは足りない「リアル」を伝える。オイシックス「Kit Oisix」編を振り返る
クラシコムのスタッフが、お取り組みする企業の商品をじっくりと知りながら仕立てるスポンサードコンテンツ「BRAND NOTE」。シリーズ連載「BRAND NOTEの舞台裏」では、お取り組みのきっかけや掲載後の反響などを、企業のご担当者さまからうかがっています。

今回は、20分以内で2品作れるレシピつき献立キット「Kit Oisix(キット オイシックス)」編でご一緒した、オイシックスドット大地株式会社の齊藤菜穂子さん、神田聡美さんにご登場いただきます。

安心安全な農産品や加工食品をお届けする定期宅配サービス「Oisix」で知られる同社が「ミールキット」事業を拡充する理由、そこでBRAND NOTEが果たした役割などを伺いました。聞き手は、クラシコム高松です。

(写真左)
オイシックスドット大地株式会社 OisixEC事業本部 プロモーション室
齊藤 菜穂子さん
大学卒業後、電子部品メーカーにて営業・人事を経験したのち、 IT関連企業に転職。広告主としてデジタルマーケティングの領域を 深めたいと2014年オイシックス株式会社(現オイシックスドット大地株式会社) に転職。以後、OisixEC事業本部 プロモーション室にて新規会員獲得における 広告出稿に従事している。

(写真右)
オイシックスドット大地株式会社 OisixEC事業本部 アプリケーションサービス室 kit セクション
神田 聡美さん
2015年、オイシックス株式会社(現、オイシックスドット大地株式会社)に入社。 サービス進化室でKit Oisixを用いた新規獲得やPRをしたのち、現在はEC事業本部でお客さまにやみつきの商品に出会っていただくための 商品体験設計を担当。

お客さまインタビューや「コドモニター」で商品を改善

──もともと、Kit Oisixはどういった経緯から生まれた商品なんでしょうか。

神田聡美さん(以下、神田) オイシックス会員にも働くママが増え、「野菜を使い切れない」「ゆっくり料理をする時間がない」という声が挙がるなかで、こういったキットなら簡単に楽しんでいただけると考えたのが最初です。

以前、ガラケー向けのサービスとして「3日分の献立が作れるレシピセット」を展開したことがあり、一部のお客様から「すごく便利だ!」と熱い支持をいただいていました。その経験から、さらにエッジを立てたらどうだろうという話になり、ブラッシュアップを繰り返し、現在の「20分で主菜と副菜が作れるキット」に落ち着きました。1食単位のほうが、食べたいものを選びやすいというニーズや、料理のレパートリーを増やしたいという要望にも応えやすかったんですね。

▲バッグタイプの袋に、主菜と副菜の材料が入っている「Kit Oisix」

 

──それ以外にも多くのキット開発が進められていますね。

神田 賞味期限の短さを補った冷凍野菜やお肉の「フローズンキット」、あと一品ほしいときに便利な「サラダキット」や「スープキット」があります。最近は手作り味噌が作れる、ルバーブジャムが作れるといった「手仕事系キット」も人気があります。

──いろんな方に楽しんでいただけるキットを展開し続けていますが、開発のブラッシュアップはどのようにされるのでしょうか。

お客様インタビューには力を入れています。先週も5人のご自宅に伺って、利用シーンやオイシックスに期待することのヒアリングをして、それをヒントに商品開発をします。冷蔵庫の中までおじゃまして、どのようにキットが保存されているのかを見せていただいたりもして(笑)。

──今回のBRAND NOTEには、クラシコムのママ社員でもあるスタッフ齊藤も参加しました。実際に開発の現場にはママ社員はいらっしゃるんですか?

神田 社内には多くのママ社員がいるので、そのメンバーの声を参考にしたり、お客さまインタビューで私たちが集めたママからの声をメニュー開発に役立てたりしています。また、「KitOisixコドモニター」という子ども向けメニュー審査会を2ヶ月おきに開催しています。

──どういった取り組みなんですか。

神田 キッズメニューの拡充を目指して、実際に3〜5歳のお子さまに販売するメニューを食べてもらい、マルバツで判定していただくんです。「パプリカが大きすぎた」なんていう、大人だけでは気持ちがわからないことが具体的な課題として挙がるので参考になります。

他にも、キット開発チームは毎週のミーティングで、何百通と届くお客さまアンケートを全て読んで取り入れています。人気メニューの「ジューシーそぼろと野菜のビビンバ」も、初期の頃から中身や食材の切り方を変え、改善を続けて今の形になっています。

──ビビンバ、美味しくてクラシコム社内でも好評でした!使っている方の声を取り入れて、言うなれば毎週美味しくなっているんですね。

メルマガやLPには載せきれない「本当に伝えたかったこと」を

──今回はBRAND NOTEをご利用いただきありがとうございます。これまでの広告出稿では会員様の入会を大事なミッションに掲げていたと思いますが、BRAND NOTEは真逆の文脈といえます。直接的な購買者を中心にしない施策ですが、実施を選んでいただいた経緯や社内の反応はいかがでしたか。

齊藤菜穂子さん(以下、齊藤) Kit Oisixの魅力として簡単さや手軽さを推すだけでなく、「生活がどのように変わったか」を伝えることがお客さま入会のきっかけになるという兆しが見えてきていました。たとえば、献立を考えずによくなった、マンネリ化がなくなった、レパートリーがどんどん増えていった……などです。

ただ、やはりメールマガジンとLP(ランディングページ)だけでは伝えきれないことも多く、お得な「お試しセット」だけではない定期会員化に向けた施策とのバランスを取る必要もありました。

過去にブロガーを起用した施策で良い成果を出せたことがありましたが、今後はコンテンツのクリエイティブ面が伴わないと実施が難しいという肌感覚もありました。「北欧、暮らしの道具店」の記事を見た時に、そこが弊社のお客様ともフィットするのではないかと。

──どのような点がフィットすると感じましたか。

齊藤 スタッフの方が私たちのお客様とほぼ同年代で、なおかつ働いており、お子さんがいらっしゃる方やDINKsの方もいる。そういった方々が、決してシステマティックではなくしっかり悩みも含めた感情を入れた記事を作ってらっしゃって、「絶対に実施したいな」と思ったんです。

他の記事広告であるのが、たとえば「ビビンバを試しに作ってみたレポート」みたいなことだけだと、私たちがお客様インタビューなどからいただいた声を付け足してほしいという要望を出すこともありました。BRAND  NOTEではその点もカバーされ、上手なタイアップ記事としても仕上げていただけましたね。

──前編で飯島奈美さんが登場する回はもちろん、後編のクラシコムスタッフがメインになる回も多く読まれたので、読者にも共感していただけたのかなと思っています。実施までには社内でも応援する声が大きかったんでしょうか。

齊藤 どちらかと言うとチャレンジでした(笑)。率直に言えば、金額面での指摘はありましたが、「たしかに他社と比べれば高いけれど、実は高くない」と。お客様との親和性も絶対に高いとわかっていたので、チャレンジだけれど説得できたましたね。

実際に、他社での記事広告はヒアリングシートなどを渡すくらいでしたが、御社はちゃんと取材もして、何日もかけて作り、写真もたくさん撮り、あのクオリティの記事を作ってくださいましたからね。

──ありがとうございます。実際に実施してみて、記事を見た社員やお客様の反応など、御社で手ごたえとして感じられていることはありますか。

齊藤 弊社の社員にも「北欧、暮らしの道具店」ファンがいたので、「読んだよ」という感想が多く届きました。社員が自発的にSNSでシェアや「いいね!」をしてくれ、そこでも内容の細かい部分で一文を添えてくれる人も多かったように感じています。

神田 開発チームへ最初に見せたとき、後編はキットを作っている自分たちとしてもグッとくると。「頑張りすぎなくてよかった」とか「生活に取り入れると楽だった」とか、従来の商品紹介では見せられなかった「自分たちが本当に伝えたかったこと」が丁寧に表現されたいたからです。伝え方として、今後も生きる学びになりました。

──記事後編では、子どもをもつスタッフ斎藤と、共働きのスタッフ松田が登場して、使った感想を素直に伝えられたのが良かったなと思っています。むしろ私たちからも「便利なものを教えてくれてありがとうございます」と言いたいくらいなんです(笑)。

ミールキット市場の広まりと共に、ブランディングを今後は強化

──お話いただける範囲で、実際の成果をお教えていただけますか。

齊藤 やはり親和性がよかったようで、結果としては想定以上の数値も出ていて、お試しから定期会員への引き上げ率も満足のいく数字でした。以前まで使われていた休眠会員が、再度リピートしてくださった例もありました。

神田 御社からいただいた読者アンケートに「いっぱい広告を出しているので見たことがあったけれども試したことはありませんでした」と書かれている方がいて、その人たちの背中を押すきっかけになったのだなと思いました。より具体的なシーンをイメージできたのが大きかったのでしょうね。

──ありがとうございます。私たちとのお取り組み以外にも、今後強化していきたい施策や商品などはありますか?

齊藤 弊社でもキットの出荷数がトータルで900万食(2018年2月末時点)を超え、2016年の300万食からも大きく伸びてきているように、ミールキットの市場が認知されはじめ、これまでのような商品説明が不要になってきました。そのなかで、オイシックスとしてのキットが他社といかに差別化できているのかを強く伝えていくフェーズになったと感じています。

そのためにもターゲット層へのリーチを変えていかなければなりません。出稿に関しても従来のような販促重視型からブランディング重視型とのバランスを取り、相乗効果を狙っていきたいですね。プロモーションを実施する場所によって、登場させるメニューを変えていくような取り組みを練っているところです。

──今回の取り組みでは人気メニューのビビンバでなく、飯島奈美さん監修の「肉じゃが」を選んでくださったのも、そういった試みがあったのですか?

齊藤 まさにそうです。映画『かもめ食堂』の料理を担当されており、「北欧、暮らしの道具店」読者の方にもファンが多いと伺った飯島さん監修の商品が合うのでは、と考えました。

──この肉じゃがキットはクラシコムスタッフの間でも話題になりました。作ってみたい!と思える手軽さを出すためにも他のメニューは効いてきそうです。

神田 最近は2.5人前の「お子さま用とりわけキット」も好評なのですが、レシピの途中でお子さま用と大人用で調理が分岐するようになっているんです。「待ってました!」というお声もいただきますし、どんどん新しい層にアプローチできたらと思います。

また、スーパーマーケット内に「ショップインショップ」という形態で店舗出展もしています。仕事帰りの方にもすぐ買っていただけるようなチャレンジが始まったばかりです。

──事前注文だけでなく、今夜頼りたい!というときに買えるのはいいですよね。今日はお時間をいただき、ありがとうございました。

【BRAND NOTE オイシックス編】はこちらよりご覧いただけます。

Recommend

Related