編集経験ゼロ入社のマネージャーが徹底管理!「北欧、暮らしの道具店」編集チームの働き方【前編】

書き手 編集スタッフ 馬居

編集経験ゼロ入社のマネージャーが徹底管理!「北欧、暮らしの道具店」編集チームの働き方【前編】
クラシコムジャーナルは、「フィットするビジネス」「フィットする仕事」をテーマにしたコーポレートメディアです。

これまで、様々な方とこちらのテーマに関してお話をしてきましたが、このNOTEカテゴリーでは、私たち株式会社クラシコム自身が、どんな仕事をしているのか、どんな試行錯誤をしているのか、ということをお見せしていきたいと思っております。

クラシコムの運営する「北欧、暮らしの道具店」は、ECサイトとして商品のご紹介をするのはもちろん、直接商品には関係のないコラムや特集といった「読みもの」を毎日公開しています。

読みものや商品ページを作っている「編集チーム」は11名で構成される、グループ会社を合わせても40名弱のクラシコムの中でかなり大きなチームです。本日はその「編集チーム」のお仕事をご紹介いたします。

今回は、具体的かつ、ちょっと客観的な視点でご紹介するために、
『昨年入社したばかりの新人編集・岡本が、驚いたことや疑問に思っていたことを、編集チームをまとめるマネージャー・津田に聞いてみる』
という形式でお話しております。

聞き手は、普段はクラシコムの外でフリーランス活動をしております、クラシコムジャーナル編集担当・馬居です。

編集経験ゼロで入社!「北欧、暮らしの道具店」編集チームに入るまで

———今日は、もうすぐ入社1年になる岡本さんの視点で、「北欧、暮らしの道具店」編集チームやマネージャー津田さんのお仕事で、ちょっと変わっているところや、面白いところ、疑問に思っていたことなどを話してもらいながら、「編集チームのお仕事」についてご紹介していきたいと思います。

岡本
今日は、私の意見が重要だということですね…緊張します。

マネージャー 津田(以下 津田)
よろしくお願いいたします(笑)

———それでは、まず、自己紹介がてら、お二人がどういう経緯でクラシコムに入社したのか、教えてください。

津田
私は、前職は、新卒で入った外資系のコンサルティング会社で働いていました。海外出張をさせてもらったり、やりがいがある仕事ではあったのですが、ハードワークだったこともあって、これは一生やる仕事ではないと考え、転職しました。

170302_journal_edi_051(左)マネージャー 津田/(右)編集 岡本

食べることが好きだったので、食にまつわる業界で、かつ、成長していて新しい仕事を任せてもらうことができるような会社をいくつか受けていました。

そんな時、たまたまフォローしていた「北欧、暮らしの道具店」のFacebookページから採用の情報が流れてきて、物は試しにと説明会に行ってみたら、青木さん(クラシコム代表)と佐藤さん(「北欧、暮らしの道具店」店長)の人柄がすごく良かったので、受けたら受かってというかんじです。

岡本
私は、新卒で入ったファッションECのモールを運営する会社を辞めて、25歳で転職しました。もうすぐ入社して1年になります。

実は、絶対にクラシコムに入るぞ!と信じていたので、内定が出る前に会社を退職して、他のどの会社も受けずに入りました。

津田
なんて恐ろしいことを…!

岡本
今考えるとそうですよね。

———どちらも、前職は編集職というわけではないんですね。

岡本
担当している40ブランドを管理するというポジションで、少しライティングをしたり、写真を確認することはありましたが、基本的にはブランドの方が作ってくださっていました。

ですから、もっと自分で思い入れのある商品を丁寧に紹介したいという思いで、「北欧、暮らしの道具店」に入りたいと思いました。

170302_journal_edi_055

津田
私も、編集経験はなかったので、最初は「コミュニケーショングループ」という受注管理やお問い合わせの担当として入社しました。

その部署で1年位働いていたんですけど、長年働いていたバイヤーが1人が辞めることになって、その穴を埋めるために編集チームからバイヤーチームに異動があって、編集チームに人が足りなくなったので、私が異動しました。

———ぽんぽんぽんと異動したんですね。

はい、玉突き人事ですね(笑)それが2014年の11月で、約2年後の2016年9月にマネージャーになりました。マネージャーではありますが、実はまだ編集チームにきてから2年半くらいなんですよね。

読者目線で、飽きないバランスの良い記事構成を

———では早速、お仕事についてお話しいただきたいと思います。「北欧、暮らしの道具店」といえば、「読みもの(コラム・特集)」かなと思います。どういう読みものを出そうかということは、どのように決めていくのですか。

津田
特集のテーマは、基本的に私が一人で決めています。店長からのアドバイスと、自分の考えた企画と、みんなに月に1回出してもらう企画の中から、ピックアップして、そのあと各担当に割り振って作業してもらいます。

———津田さんが一人で決めるんですね。どういったことを心がけてテーマを決めていくのですか。

津田
とにかく、読者目線でバランス良くということですね。

1.知りたい情報が知れる実用的な特集
2.コレ素敵!って気持ちが上がるような特集
3.こんな特集も読めるんだ!と新鮮さを感じる特集

に加えて、私たちはECサイトでもあるので、売上を立てるための特集も混ぜながらという感じですね。

佐藤店長から言われるているのは、月、週、日、どこを切っても金太郎飴みたいなということで。新鮮味があって、面白みがあって、親しみやすさがあって、いつ見てもバランス良くという割り振りを心がけています。

170302_journal_edi_070

とはいえ、計画通りにはなかなか進みませんけどね。

クラシコムは、18時定時で残業はしないと決めているのですが、編集チームは読みものの他に商品ページも作りますし、企業タイアップのBRAND NOTEなど、絶対に公開日をずらせないものが優先されたりもするので、なかなか月初に立てた計画通りには進みません。

結果として目指していた面白さに到達できない月もあるんですよ。でも、それを把握して出しているか、無自覚かということは違うと思っていて。今週私たちは薄いなとわかっていることが大切かなと思っています。

———つまらないなと思っても、止まったり引き返したりできないですもんね。

止まれたらいいんですけどね。とにかく、進み続けなくてはいけないので。

ちょうどいい仕事を振るためにマネージャーがしていることとは?

———では、今日の本題に移りましょう。岡本さんは編集チームに入ってもうすぐ1年。この「読みもの」を作っていく中で、驚いたことはありますか。

岡本
たくさんありますが…、一番驚いているのは、津田さんが振ってくれる仕事の量や質が、いつでもちょうどいいということです。

津田
あれ、ちょうどいいですか?

岡本
いえ、うーん…ちょうど良くはないです。ちょっと多いです(笑)

でもだから、いつでも集中できるというか。集中していないといけないくらいのちょうどいい感じで。

津田
たしかに、その人の能力のちょっと上の仕事を常にお願いするということは意識していますね。

なぜかというと、自分がそうされたいからです。

ここが限界だって思われたくないというか、ちゃんとストレッチできる人間だって信じてもらいたいという想いがすごくあって。だから、私も、みんなを信じて、もっとできるはずというくらいの割り振りをすることが多いです。

岡本
そんな想いを持ってくださっていたんですね。でも、本当に、振られる仕事の量がちょうどいいんです。この人は次はこれをお願いしようという判断はどのようにしているんですか。

津田
それは…とにかく、私は趣味のように、一日中、みんなの予定と作業をみているからですね。

編集チームのみんなは、全作業を共有のGoogleカレンダーに入れてくれているので、その予定を見ながら、この人は担当している特集の編集がもうすぐが終わるはずだと思ったら、今度は、特集を作っているシステム(WordPress)で該当の記事を検索して、下書きを見て、これくらいまで作れてるのねと確認しています。

岡本
え、予定だけじゃなくて、作業の進捗まで見られてるんですか。

170302_journal_edi_124

津田
うん、怖いと思うんだけど、見てます。

進捗を見ながら、遅れてるなとか、行き詰まってるなと思ったら、どう?と声をかけてみたりしますが、基本的には、大変だとかつらいとか、言われるのを待っています。それまでは、裏から、常に、超見てます。だから、作業の進捗はだいたい把握出来ていると思います。

岡本
どうしよう、泣きそうになってきました……。

津田
何の涙!?怖い?怖い?

岡本
わかりませんけど、すごい……!!!やっぱりそうですよね。そうじゃないと、こんなに把握できないですよね。見守られてるんですね。

170302_journal_edi_083

津田
メイクだいじょうぶ?

岡本
だいじょぶです(T T)

津田
進捗を全部見ることが出来るのは、ウェブメディアならではかもしれないですね。インフルエンザだったり、事故だったり、スタッフが急に来れなくなってしまった時に、チームのほかの誰かが常にフォローできる状況にしておくことで、大事にならないようにということはすごく考えています。

岡本
大事なことですよね(T T)

SNS担当に向いているのはどんな人?

津田
あと質という面では、一つの仕事に慣れたら、それ以外の仕事もしてほしいなと思って割り振っています。色々な仕事ができるようになって欲しいので。

特集を作ったり、商品ページの作業をしている間に、慎重派だなとか、写真が上手だなとか、文章が良いなとかをみて、得意なところ、苦手なところを把握した上で、なるべく得意なところで活躍できる仕事を任せたいなと考えています。

岡本さんには、Facebookの担当もお願いしていますよね。

岡本
私がFacebookの担当を任せてもらった理由は何だったんでしょう。

津田
SNSの担当は、知識がどれだけあるかということよりも、どれだけ自己管理できるかということが大切だと思っています。

編集チームは、特集を作って、コラムを書いて、商品ページを作ってという仕事だけでも大変なのに、そこに、Facebookは週末も含めて、毎日3投稿というなかなかハードな仕事ですから。

SNSは結果がわかりやすいので、気がつくとずっと見てしまって、他の作業が疎かになってしまうことも有り得ますし。

170302_journal_edi_115

自分の持っている作業がどのくらいなのかなど、スケジュール管理がきちんと出来る人に任せたいと思った時に、岡本さんが一番得意なのではないかなと思いました。

投稿内容は、学んでいくことができるので。投稿内容のダメ出しはいっぱいされますよね。

岡本
はい、いっぱいされます(笑)

私に感性はない!理論と努力で編集能力の底上げを

———他に、「北欧、暮らしの道具店」の読みものを作っていく上で、岡本さんが驚いたことはありますか。

岡本
津田さんの文章力です。私もそうですが、津田さんも前職は編集などの文章に関わる仕事ではないですし、編集チームに異動されてからも2年くらいなのに、とっても読みやすいんです。これは、もう、津田さんの向上心のなせる技なのか…どうなんでしょうか。

津田
うーん。向上心のなせる技…かもしれないです(笑)

私は編集の実務経験が少ないですし、決して頼りになる人材ではないという自覚がすごくあります。

写真に関しても、新しく編集チームに入社してくる子はみんなすごくセンスがあって。そもそもスタイリングが上手にできたりとか、写真の中の気持ちよさを本能的に感じて撮れる子が多いんですけど、私は自分がそうではないということがわかっていて。

だから、もともと別のチームに入社しましたし。ただ、「北欧、暮らしの道具店」は、編集チームじゃなくても、コラムなどを書かないといけないんです。

そこで、自分はうまく写真が撮れないなと感じていたので、一度きちんと学ぶ機会を作ってもらったら、できるようになってきたんですね。それで、私は、「学べばできる」という自信を持つことことができました。

つまり、自分は、「編集的な実務経験が少ない」、でも「学べばできる」、という2点で、努力するモチベーションが保てているのかなと思います。

岡本
すごい……。

津田
とにかく知識はたくさん入れていると思います。それこそ、Amazonで「編集」と名のつく本を検索して、ランキング上位から順番にほとんど読みましたよ。

170302_journal_edi_142

他社のウェブメディアもすごく見ますし、見出しを見比べて良いなと思ったものの共通点はここかなというものを見つけて、自分で理論を作って、試して、結果を見て、また試してということを繰り返したり。

岡本
津田さんの文章は感覚で作っているわけではないんですね。

津田
全く感覚じゃないです。すべて私のやっていることは、まあ、人がつくってくれたものも多いのですが、理由とか理論とかがあると思っています。

編集チームのみんなが、私よりもセンスがあるということはわかっていますから、そこに私が学んだ理論をプラスしたら絶対良くなるとも思うので、共有していきたいという気持ちも大きいです。

あとは量を読んでいることも大きいと思います。マネージャーなので、誰よりもチェックしていますし。他の人が書いた文章は、これは読みやすいなとか、読みにくいなとかの違いがわかりやすいですから。

岡本さんも、最近は別の方の文章をチェックしていますよね。そんな風に思ったりしませんか。

岡本
たしかに自分の記事の読み方の視点が変わりますね。人が書いた文章は、例えば言葉の重複や、リズム感が悪いなということも気付きやすいです。

津田
それを繰り返していくと、自分の文章を読み返す際も、どこを見たら良いのかということがわかってくると思います。

あとは、仕事に直接関係なさそうなものもすごく見たり聞いたりしています。有名な人のドキュメンタリー番組を見たり、トークイベントもよく行きますね。

岡本
いつもそこで得た名言みたいなものを編集チームのSlack(チャットツール)で共有してくれますよね。

津田
良い言葉を見つけたらみんなに共有するというのは、佐藤店長もよくしてくれますし、クラシコムの文化なのかなと思います。

「企画が立ってる!」ってなに?

岡本
もう一つ津田さんに聞きたかったことがあります。

津田さんが、特集のためにみんながあげるアイデアに対して「企画が立ってるね!」って言うことがあるんですが、「立ってる企画」と、「ただのアイデア」は何が違うんでしょうか。

津田
立ってる企画…。難しいな…。

1つは、思いつきそうだけど、思いつかなかったことですかね。

例えば、3月に新生活向けの商品をまとめて紹介しませんか、というアイデアは3秒で思いつくじゃないですか。それは思いつきで、ただのアイデアです。でも会議のなかで「家事スマート化計画、というくくりを作ったらどうか」と提案してくれたスタッフがいて、同じ商品紹介でも、それならちょっと新鮮だな、自分が読者だったらワクワクするな、と思いました。

そして、もう1つは…、実現性の高い内容に落とし込まれているってことですね。

うちの場合だと、その企画に出てくる商品の在庫がちゃんとあるのかとか、この製作期間で作れるかとかですね。

その両方が絡み合ったものが企画が立つ…じゃないですか!

岡本
なるほど!!

津田
あー、言語化できましたね。これは次の会議でみんなに言わないと!

岡本
私も津田さんに「企画立ってる!!」って言われるよう頑張ります!

170302_journal_edi_094

続きまして、後編では、ちょっと厳しいダメ出しでも前向きに捉えられるチームづくりや、編集チームの教育についてお話しております。ぜひご覧ください!
後編:ダメ出しを素直に受け入れられる雰囲気づくりとは?

Recommend

Related